「大きな広い家って贅沢で羨ましいな〜」
マイホームを建てる際にまず決めるのは大体の家の広さ・大きさ。
やっぱりマイホームを建てるからには大きな家で周りにも自慢したいし、羨ましがられたい。その気持ちは悪い事ではないけど、そこにこそ大きな罠がある。
そんな罠を事前に見つけ出せるように、今回の記事ではマイホームの広さについて深掘りしていきたい。
目次
大きい家=富裕層の象徴
大きい豪邸といえば富裕層の象徴。別に住まなくてもいいけど、住めるとなれば一度は住んでみたいそんな住宅。
だが、それが必ずしもマイホームとしての正解とは限らない。
昨今のマイホーム事情として、平均的な建坪は30〜40坪となっている。この平均の数値自体、40坪も平均値なのには正直驚いた。
都心部では土地代も高騰しており、建坪にそこまで予算が振れないことも十分考えられる。
もちろん都心部と田舎では数字に開きは出てくるが、坪数に関しては他人と比較するのはナンセンス。
でも大きなマイホームにしたくなるのはなぜだろうか。
それは家族のため?自分のため?その真相は建てる本人にしか分からない。少しならいいのだが、大きな家にしたい理由が承認欲求を満たすためのこじつけじゃないかどうかは立ち止まって考える必要がある。
承認欲求には際限がない。
理屈では分かっていてもいざとなると冷静な判断は難しくなるから、この記事を読み進めて自制して欲しい。
実際の30坪の暮らし
まずは私の30坪の暮らしを紹介したい。そもそも30坪は驚くほど小さいわけでもないが、豪邸というには遥かに遠い大きさではあると思う。
ただ、住み始めて3年目の現在で思うことは、夫婦と子供1人には30坪が最適解だったということ。家族の人数により多少誤差はあると思うから、我が家のを例として参考にして欲しい。
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余分な部屋は和室くらい
今使っていて用途がふわっとしているのは和室くらい。この和室もふわっとしているとはいえ、物干しワイヤーを設置しているから洗濯物を少し干したりなどかなり使用頻度は高い。
何でもかんでも洗面所に置くのは邪魔だし、ランドリールームを作るなんてパターンもあるが個人的には否定派。
少しでも家事を減らしたいのに家事にどっぷり浸かるための部屋を作るとかドMもいいところ。洗濯物は基本的には畳まず収納が基本。
脱線したが、こんな感じで少しイレギュラーなことに関しては和室で対応する。
しかも和室は一条工務店のスリットスライダーになっており、閉めておけば視覚的にも生活感が出ることがないのも気に入っている。加えて間取り的にも目立たないことが結果的に良かった。
あとよくあるのが子供部屋問題。子供が出て行ったらどうするのがベストだろうか。
- 帰省時のためにそのまま残す
- リフォームして書斎or夫婦どちらかの部屋にする
我が家で現状考えているのはこんな感じ。
子供が大人になった時にどんな生活になるかでここは決めようと思うが、子供が2人3人となると子供部屋も増えてくるから悩みどころ。
あらかじめ部屋を繋げる予定で間取りを構想して、子供達が巣立ったら壁を取っ払って広い部屋にするとかも長期的にマイホームを楽しめそうであり。
子供部屋に関してはマイホームを考える上でも意外と大事になってくるポイント。子供部屋を作るなら方向性が変わってもいいから、その後の物置以外の活用方法も決めて進めていこう。
掃除が楽
我が家は家のサイズと平屋ということもあって掃除がかなり楽。
今ではロボット掃除機ありきでマイホームを考えている人も増えているだろうが、我が家では導入していない。
現時点では汚れが気になったらサッとダイソンで吸う感じになっているが、家がそこまで大きくないので手短な小掃除でも十分賄える。
掃除はやる時に100%やろうとするから億劫になるわけで、気になったら60%くらいの掃除をちょこちょこした方が圧倒的に綺麗に保たれるからおすすめ。
家が大きくてもハウスクリーニングを呼べるくらいの富豪であれば心配は無用だ。
LDK22帖は贅沢
マイホームが30坪は標準的な30〜40坪と言われている中では小さい部類だ。
でも実際に狭さはそこまで感じない。
肝心要のLDKに関しては22.33帖となっており、個人的には本当にちょうどよくて気に入っている。
当然30帖を超えるような家もたくさんあるが、22帖くらいあると結構大きめなソファも置けるし困ることはほとんどないと思う。
LDKが広いから来客時に子供を連れてきても気兼ねなく遊べるのもいい。
あと住み始めて改めて思ったのが平面的な広さだけでなく、空間的な広さも非常に大事だということ。
簡単に言えば天井高について。
22帖の中でもリビングにあたる10帖は勾配天井になっており、開放感はちょっとした我が家の自慢ポイント。
2階建ての場合だと吹き抜けなどの選択肢もあるから、家全体が小さめでも広さにメリハリをつけることで小ささを感じないような工夫が可能だろう。
なによりマンションなどの場合は、20帖以上LDKがあるような物件は高級物件。一般的には贅沢な部類だから上を見てもキリがないのは肝に銘じること。
大きな家のデメリット
大きな家のメリットは正直微妙。
「お前、自分が建てられないからってひがみで微妙とか言ってんだろ」と言われそうでびくびくしているのだが、本音で思っている。
大きな家に関するネガティブ要素も、お金がありすぎて全てを跳ね除けられる方は最高に羨ましい限りだが、それはマイノリティに過ぎない。
大きな家でのデメリットをまとめた。
掃除がやばい
これはいろはの「い」くらい基本になるだろう。
もう桁違いの広さでハウスクリーニングを定期的に入れてます!ってスタンスなら問題はない。
ただ、一般家庭で30坪の家と40坪を比較すると、数部屋分の掃除が乗っかってくる。10坪は約20帖。
先ほど挙げた贅沢なLDKをまるまる追加で掃除をしなければならないのは、高確率で負担になってくる。しかも何十年も住むのに。
少しでも家事を減らしたいのに掃除だけでもこの負担感は心理的にも身体的にもキツすぎる。マイホームは苦行をこなす場所ではない。
物置に金を払う暴挙
家が広い場合、使っていない部屋が出てきている可能性が高い。
人間心理として何かあった時にという、低確率な不確定要素に備えがちだ。それに隙間は埋めたくなるから家が広くなると物も増えていくのがごく自然なこと。
せっかく家族が快適に過ごす為なのに、気がついたら物が占拠していて物置に住宅ローンを払ってしまってるような状況にもなってしまう。それは愚の骨頂。
最近ではミニマリストという言葉もよく聞くようになったが、実際には非ミニマリストの方が圧倒的に多い。ネットの少数派の声は大きくなる。
家が大きくなり予算が嵩む上に、不要な物を増やしてしまい無駄な出費が増える悪循環。大きな家の弊害は意外なところまで派生していく。
子供が意外と長く住まない
子供部屋に関しては少し触れてきたが、これは難しい問題。先ほども言ったように、基本的に子供部屋はつくってあげて欲しいと思っているが、意外と子供が住んでいる期間は短い。
30歳で家を建てて子供が3歳の場合、大学から家を出ると仮定しても15年程しか住まないことになる。比べて自分達は30歳から80歳まで50年以上生活する可能性がある。
これだけ差があるのだから、子供部屋に比重を置くのは危険だと考えた方がいい。
最も合理的なのは、子供が家を出るまではライフスタイルを加味した物件に賃貸で暮らし、夫婦2人だけで暮らすようになってから現金で生活にあったマイホームを建てるのがベストだろう。
部屋も無駄にならないし、ある程度周りの目も気にしない年頃になってきているから尚更いい。
移動が大変
現在の30坪の家だと室内の移動が億劫にならないのはかなりいい。
億劫になる時リスト
- 書斎から飲み物を取りに行く
- 洗濯物の収納
- 買い物からの帰宅時
たしかに動線によって便利にはできるが、物理的に近い距離にあらゆる部屋が配置されていることには敵わない。
毎日の事だから積もり積もるとストレスにもなるし、あらゆる事がめんどくさくなってしまうのが人間としての性。
移動に関しては運動不足にならないとポジティブに捉える事もできなくはないが、運動なら散歩をした方が100倍マシ。
ながら運動はいいんだけど、そのながら運動が強制になり選択肢が無くなる事でまたストレスを溜めていく。変にポジティブに取るのは危険だ。
来客には備えない
大きな家にする際によくある理由として「来客時に泊まれるように」という理由が挙げられる。
オプション等も踏まえた坪単価で言えば一条工務店だと100万円くらいはするだろう。かなり粗い計算だが、2坪の約4帖に200万円を来客の為だからと払えるか?答えはNO。
しかも年に何回か…いや、月に数回は来てもらうくらいの来客頻度でなければ確実にいらない。
そんなイレギュラーなシチュエーションに備えて家づくりをするのはやめた方がいい。なら毎日生活する家族の為に考えて設備を充実させたり、旅行に行ったりするのにお金を使って欲しい。
保険に少し近い感覚もあるのだが、万が一に備えた時のリスクリターンはこれでもかってくらい悩んで決めるのがベストだ。
マイホームは承認欲求との戦い
マイホームって良くも悪くも自慢できる。
まだ20代、30代前半くらいだと賃貸アパートに住んでることもザラだし、実際家を建てるまでは私もそうだった。
アパート時代を思い返しても、マイホームっていうのだけでキラキラしていたのを覚えている。
- これが夢のマイホームかぁ
- 自分の城を持つってどんな気持ちなんだろう
- こだわりのマイホームは住み心地が良さそうだな
こんな感じで純粋に憧れてたし、最近YouTubeで見るように金銭的な部分だけを考えてマイホームは情弱だろなんて思いたくなかった。
そこにあるのは純粋な憧れ。
なんか自慢できるのがマイホームの良さっていうのは気が引けるかもしれないが、実際問題これは確実に言える。
たださっきも挙げたように、その自慢が無理をして見栄だけになっていないかが分岐点。
自分の生活環境を踏まえて家を建てた私も例外ではなく、マイホームを羨ましく思われたり褒められるとやっぱり嬉しい。
気持ちよくなってるリトル俺がいるのがよく分かる。
人間は承認欲求と常に隣り合わせで生きているものだから、なかなか真正面から向き合うことも難しい。でもバランスを取ることはきっとできる。
マイホームっていうだけでもここまでの承認欲求の罠があるのだから、建てられる限界まで大きな豪邸を建てるとかは沼への入り口。
見えにくい性能の方が重要
これはポジショントークだが、住宅は性能がめちゃくちゃ大事。
一条工務店のように住宅性能の高い家に住んでいるとさらに痛感させられる。日本には四季があるからこそ、季節ごとにあらゆる角度から悩みがくる。
これから家を建てようとする人からすれば、他人の家は外観を見る機会の方が圧倒的に多くて、家づくりは外観の比重がどうしても重くなりがちになるが、これは危険信号。
建ててみた感覚からすれば外観2割、性能8割といった極端な割合くらいの方が満足度の高い家を建てられるだろう。間違いない。
当然その2割で最低限の外観は確保するのだが、外出先から帰ってきた時くらいしか外観なんて見ないからこだわるだけ無駄になるのがオチ。
我が家は比較的外見を気にしないタイプだから正直なところ、家の外観はダサいと思う。気にしないタイプっていうのは決して負け惜しみではない。
実際に生活をしている上で大事なのは家自体が大きくて立派に見えるかではなくて、性能こそが日常生活を変えてくれる。
家の大きさや外観なんかよりもよっぽど優先順位が高い事を知って欲しい。
マイホームの資産性
マイホームを建てる際にまず受け止めて欲しいのがマイホームは負債だということ。
ただこれだけ聞くとネガティブな意見でしかないけど、それは違う。
資産として将来を見越して買うのが違うというだけで、マイホームが人生を豊かにしてくれるものなら建てた方がいい。私はそう思いマイホームを建てて、マイホームを人生の散財と公言している。
本当に資産性を踏まえた上で購入できるような人はほんの一握りで、その道で食っていけるような人だけ。プロににわかの一般人が勝つのは無理。
だから尚更、大きいマイホームを資産だからと購入しようとするのはNG。自分の幸せに必要なピースの一つなら散財、浪費として購入を考えることが重要。
じゃあどれくらいの広さが良さげ?
基本的に家の大きに関してのメリット・デメリットは表裏一体。
部屋毎の大きさも、色々な間取り事例を見た上で必要最低限に近い広さがベスト。
例えば我が家で言えばクイーンサイズのベッドを置いているが広さは6帖となっている。当初は8帖くらいにしようかと悩んだが、2帖を削ってなんとか書斎を確保した。
坪単価の例で挙げたように、2帖削るだけでも坪単価的には100万円くらいの大きい金額になる。いくらマイホームは一生に一度といっても、予算がある以上限度はある。
地域によっては30坪であっても大きい部類になってくるケースもあるだろうが、4人家族くらいまでは30坪基準が良さげ。
我が家の間取りが家族3人分だから、プラスで子供の人数くらいがきっと少し贅沢も感じながらちょうどいい広さになるだろう。
廊下なども無くし、より無駄なくフィットした形にしたいなら平屋という選択も合わせて考えることをお勧めしたい。
何はともあれ結論としては、金額に糸目をつけないケースを除けば30坪。それ以上は家族構成に加えて、承認欲求を満たす為の空間にならないように気をつけて、家づくりをスタートして欲しいと願っている。
最後に
マイホームは小さく建てろと少し挑戦的な内容ではありますが、リスクの部分からも広さは最低限にした方がいいと思ってる派です。
ただ広い家に憧れはあるし、デメリットに関してもお金で解決できる部分もいくつかあるので、稼ぎまくって今度は大きい家を建てられるよう頑張りたいと思います!ww
でもこれだけは言わせて欲しい。
俺の家最高!
ではまた!