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AirTagとは?
ありとあらゆる物を無くし続けているそこのあなた。この記事を読んでいるくらいだからこれまでの人生では、数多くの「紛失」に遭遇していることだろう。
今回紹介するAirTagはAppleが2021年4月30日に発売した持ち物の追跡デバイス。
持ち物に忍ばせておき、Appleデバイスの「探す」機能でAirTagを付けている物の追跡が可能になる。後述するが、追跡は音とガイドによって行われ精度もかなり高い。
登場した当初はApple製品お得意の「高くね?」によってYouTuberのオモチャと化した。
悩んだ末に購入し、実際にはこのAirTagが必要に足るのか否か。とことん深掘りながらまとめていきたい。
プライバシー対策は?
AirTagとなるとプライバシー対策は必須だ。
持ち物の追跡デバイスとなれば自ずと「人」も追跡できることになってくる。
純粋にガジェットを楽しんでいる民からすれば考えられないが、世の中にはいい人だけとは限らない。実際いくつか持ち物に忍び込まされていたなんてニュースにもなった。
だが基本的にはAppleもこの事態を想定しているため対策はしている。
AirTagの位置情報は暗号化されていて、持ち主本人にしか見ることは出来ない。AirTagに記録が残ることもない。
じゃ他人が忍ばせたAirTagは?
そう、ここが1番の肝で結論から言えば対策済み。
iPhoneユーザーであれば自分が所有している以外のAirTagが近くにある場合、アラームで知らせてくれる。ただ近くのAirTagで音がすぐ出ていたら街中大パニックになってしまうから、本来の持ち主から離れた際に発動する仕様になっている。
持ち主が本来の目的以外に、他人に使用しようとしたらアラームが鳴るという認識でいいだろう。
ここでまた浮かび上がる疑問。
そうなのだ。日本はiPhoneユーザーが多いとはいえ、全員がiPhoneではない。
でも大丈夫。Appleから対策アプリがリリースされている。
それが「トラッカー検出」というアプリ。
これにはApple純正のAirTag以外にも「探す」で検出できるデバイスは全て網羅できる。
リアルの知人でこのアプリを入れている人を見たことがないが、電車に乗ったり一人暮らしの人は必ずダウンロードした方がいいだろう。Android勢が身を守るのはこれしかない。
ただこれで当初心配されていたプライバシーに関してはある程度安心できるだろう。
セットアップは超簡単
Appleデバイスの魅力といえばセットアップの容易さ。
基本的に近づけるだけでセットアップは完了し、AirTag毎に名前も付けられるから持ち物の管理も楽になる。
物を無くすくらいだから、何を無くしたか明確になるのはありがたい。
安心のIP67等級の耐水・防塵
もちろん持ち物がどんな環境にあるのかは分からないから、AirTagは耐水・防塵になっている。
Appleの公式HPには水と仲良しなんて浮ついた事が書いてあるが、IP67の性能は水深1mに30分間浸かっていても大丈夫という規格。安心は安心なのだが、苦にはしないよくらいがちょうどいい。
仲良しではない。
ここまで必要?保険的な役割?
AirTagを買う人はきっとこんな思考回路だろう。
「もしもの時に無くしたら困るから安心の為に買っておこう」
きっとこれが9割9分の購入理由。残りはガジェオタ枠。
でもAirTagは冒頭にも言ったように、万が一に備えるには金額が高い。1個で4,780円、4個セットで15,980円。※2023年3月現在
もちろん、持ち物の価値によってこれが安いか高いかは変わってくると思うが、そんな高価な物は持ち歩かない。
今ではキャッシュレスも進んでおり、現金もほとんど持ち歩かない。私も完全にキャッシュレスに移行しており、財布は現金を入れる気なんてさらさらない物を愛用している。
そんな金の入っていないお財布を落としても身分証くらいしか入ってないなら、交番に届くかそのまま放置されるのがオチ。
クレジットカードはすぐに停止されるし、足もつきやすいから悪用も最小限に防げるだろう。
個人的にAirTagは保険と同じだと考えている。
保険も遭遇する確率が低いけど損失が大きなものに対してかける。遭遇する確率があまりにも高い物事は根本的に何かがおかしい。
それにここで一つポイントになりそうなのが、保険業界に関する考え方。保険業界は昔から高給取りで儲かるイメージを持っている人も多いだろう。それは人間の不安が売れることを証明している。
もちろん顧客の万が一に備える側面も多々あるだろうが、それであるならばここまで儲けは出ない。
安心は高いのだ。
このAirTagもその不安をうまく煽ってくる。
物を落とした時のことを想像すると必要性を感じてくるが、そもそもこんな高価なデバイスで守らなきゃいけない物を持ち歩く人の方がイレギュラー。
保険で「保険をかけていたから得した!絶対入るべき!」なんて言ってるのはアホの極み。ギャンブルで自分は買ったから、ギャンブルはやった方がいいって言ってるのと大差ない。
保険をかけていて得する人「も」いれば、そのまま掛け捨てで流れる人もいるだけ。
AirTagも早々に物を無くしてAirTagで見つけた人は絶対にあった方がいいなんて言うが、それはそういう人「も」いるだけ。当たり前だが全員は救われない。
AirTagも保険も「安心」を買うからこそ、金額が高い。
こんなニーズで買う
これまで色々語ってきたが、それでも買ったからには用途を一応考えて購入した。(ガジェオタだからってのも理由の大部分である)
- 子供が万が一どっか行ってしまっても追跡できるし、(さすがに年齢にもよりますが…)防犯ブザーと合わせて持たせたい
- 旅行などの頻度が低いシチュエーションでも遠出をしても大切な物が守れる
- 普段使うトートバッグに付けて盗難を防止する
こんな用途を想像している。
これまで出番が無いのが正直なところだが、AirTagに関しては一生出番が来ないことを祈る類稀なデバイス。
実際の操作感
操作は超簡単で本当に探す時意外は何もいらない。
探す際にもiPhoneの「探す」から探したいAirTagを選択すれば方向を指してくれるし、画面内のボタンでアラームも鳴らす事ができる。
実際に家の中でやってみたが、方角と音で探せるから確実に探し出す事ができた。
他の選択肢とおすすめ製品
Appleのブランド力が強すぎて忘れがちになるけど、AirTagは後発の追跡デバイスになる。
他メーカーで有名なのが、Ankerとtileの製品だ。
詳細に関しては表にまとめたから違いをチェックしてほしい。
一番のポイントはAppleの「探す」機能が使えるかどうか。
理由は簡単で、リアルタイムに限りなく近い現在地が出るかどうかになる。
Ankerもtileも独自のアプリはあって、Bluetooth接続が切れたら最後の場所を知らせてくれる仕様になっている。
だからこそBluetoothの接続距離に関してはAirTagが約10mに対して、tileはProモデルだと120mと驚異的だ。
そんな事を思いそうだがそうじゃ無い。
Appleの「探す」機能の有無が鍵を握る。
iPhoneユーザーが多い日本においては、このユーザー数こそが最大の武器になる。
Appleの「探す」機能は、AirTagの近くにあるiPhoneなどのAppleデバイスから位置情報をBluetoothで読み取って現在地を割り出していく。
道ゆく人のiPhone等は全てiCloudで管理されているから、プライバシーは保たれつつ位置情報だけが近くのAirTagに送信される。
根本的な追跡の仕方が違うからこそ、どこに落としても見つかる可能性が高いのがAirTag、Ankerの追跡デバイスなのだ。
単純なBluetooth接続のみだと追跡デバイス自体が移動を続けた場合、捜索が不可能になり意味がなくなる。いくら120mとはいえ、本質を考えるとたかが120mの範囲でしか無い。
これでAppleに情報を抜かれてて怖いとかよく分からないとか陰謀だとか思う場合は、迷わずスマホを捨ててほしい。
AndroidでもiPhoneでも情報をいかに取るかで競っているのだから、一般的に想像する以上に情報は渡っている。それが理解できないならそもそもスマホを持たない方が身のためだ。
以上の理由から追跡デバイスを購入するならばAndroidでは無理だが、iPhone×「AirTag」かAnkerの「Security SmartTrack Link」がおすすめだ。
こんな人にはおすすめ
こんな場合は買い
- 子育て中の方
- 貴重品を無くした経験がある
- 物を無くす不安を解消したい
- テクノロジーを楽しみたい
- iPhoneユーザー
その他にも自転車の盗難対策や車にも使えるから用途は無限大だ。
ただし記事内でも言ったように、安心をどこまで求めて買うのかが重要になってくるから要検討してほしい。安心は高い。
AirTagはAmazonだと安くなるタイミングもあるのと、買う場合はお得になる4個セットが断然おすすめ!(私は13,031円で4個セットを購入しました!)
ピンポイントでの使用が確定していないようなら単品で買うのは避けよう。
あと余談でApple製品の特徴だが、AirTagもサードパーティ製のケースなどが多数出ている。
本革のケースからシリコンのケースまで、iPhoneケース同様に種類は豊富だ。
自分好みのスタイルにして、オシャレに持ち運べるのも嬉しいポイント。純正だとエルメスの本革ケースまであるから、富豪の方は是非チェックしてほしい。
さいごに
今回の記事いかがだったでしょうか?
気になりつつも敬遠していたAirTagですが、やっぱり立ち位置がかなり難しいデバイスですね。自分が感じる安心にいくらまで出せるかに尽きると思います。
でも私の場合は、テクノロジーの進化を肌で感じるガジェットが楽しくてついつい買っちゃいましたが…ww
価格も高いので基本的には追跡デバイスは不要派ですが、この記事がAirTagを検討している方の参考になれば幸いです!
ではまた!